福島のいま①〜放射能数値の真実〜
気がつけば来月には東日本大震災から7年が経とうとしています。そこで自身の調査のために福島へ行きました。知人に紹介していただいた福島の方にフィールドワークをしてもらいながら、福島のいまを学んできました。
今後複数回に跨いで学んだことを発信したいと思います。
福島では原発事故が発生して以来、進まない廃炉作業と狭まる避難支援という現状になっているわけですが、その避難区域を決める目安として「放射能数値」が使われています。
政府は福島原発以降、避難区域における被曝放射能数値の基準を、年間1ミリシーベルトから20ミリシーベルトまで上げています。これはかつてあったチェルノブイリ原発事故で設定された5ミリシーベルトよりも高い数値です。さらに言えば20ミリシーベルトという放射能数値は原発で働く作業員が制限される数値よりも高い数値です。
これだけでも十分おかしいのですが、さらにおかしいのがそれを見ることのできる福島に設置された放射能測定器です。
現地で聞いた話によれば、この放射能測定器は除染した土地に設置されているそうです。しかし、その表示される数値は実際の数値よりも低く出るようになっているそうです。
実際に案内をしてくださった方が持参したガイガーカウンターでは車でさえも放射能数値は下の写真のような表示をしていました。
ちなみにこの近くで表示されていた放射能測定器の数字は「0.3」で、この時点で既に差が出ていました。
写真では撮影のタイミングの関係上、「ゼロ」が消えてますが。
参考までに車の中でも見せてもらうと…
すでに1ミリシーベルトを超えていました。篭った中で測ったというのもあるかもですが、もうすでにかつての基準値を上回っています。
さらにこの放射能数値は雪が積もると減るらしいのです。この日は雪が残っており、測定器の設置場所の中には雪が積もったままのところもありました。つまり測定器の数値は少なく出ているというのが本当だと分かります。
極めつけがここ。
フレコンバッグが置かれた土地です。この入り口にはこのフレコンバッグのある場所の放射能数値が掲示されています。
この前でガイガーカウンターの数値を見てみると…
見辛いかもですが、「0.25」という表示になっています。周辺が雪に覆われた状態でこの数値ということは、雪のない普段の数値はまだ高いという事になるわけです。
こんなにきちんと測定しきれない状態で20ミリシーベルトなら問題ないと言えるのでしょうか??
ちなみにこの20ミリシーベルトという数値は科学的根拠がなく、非常時の数値として暫定的に定められているに過ぎません。
それを政府はおろか、IAEAでも推奨しようとしているそうです。科学的根拠のないものを押し進めようとしている今の原子力をめぐる動きは怖いものです。
今回は今まで以上に分かりづらいとはおもいますが、「福島の放射能数値は数値が過小評価であること」、「20ミリシーベルトには何の根拠もないこと」が分かってもらえたらと。