ぴーすみゅーじあむへの足跡

このブログは自分の旅行した先で行ってきた戦争と平和についての博物館のことや自分の知った戦争と平和についての博物館の情報についてアップするマニアックなブログです。

沖縄慰霊の日と満蒙開拓平和記念館と。

6月23日は沖縄慰霊の日。

 

 

沖縄全戦没者追悼式では玉城デニー沖縄県知事のあいさつで島言葉(しまくとぅば)と英語による宣言がされ、毎年発表される「平和の詩」の朗読で戦争を知らない子供が訴える平和の尊さが発信される中、いつの間にか歴代総理で一番出席していることになってしまった安倍首相によるあいさつ。

内容調べてみたが、あまり内容が変わってないようで。

 

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2011年当時のものですが、式典会場のテント

 

そりゃあ、強行で辺野古の埋め立て進めるだけしかせず、それどころか年々ひどくなる昼夜を問わない米軍の飛行訓練や問答無用の軍備品装備をしての訓練の乱発、在沖米軍による犯罪や飲酒問題の横行、沖縄へのヘイトやフェイクニュースの無責任な垂れ流しには何も対応しないのでは、もうあいさつも面倒になってるように思える。あるいは舐めているか。本来ならば沖縄にも来てほしくない。近いうちにある参院選のためのアピールか。

 

そして、今回自分も困ったのはこの問題。

 https://twitter.com/kazuyahkd2/status/1142641664080539648?s=21

 

慰霊の日で安倍首相があいさつした際にヤジを飛ばした人を批判するツイート。何に困っているかと言えば、内容もそうだが、これに対して引用ツイートしたら、沖縄の人でもない人から「平和の想いが大切にできていない」みたいな返信が*1

 

勘違いしているようだが、この式典に参加してる安倍首相は8年もたっているのにやっていることは、沖縄に寄り添うどころか、辺野古の破壊と沖縄の民意無視、果ては沖縄戦で犠牲になった人への愚弄になっていることしかしていない。そんな人に平和の想いや慰霊の想いがだったりがあるとは到底思えない。そんな人のことを棚に上げて、ヤジをしている人の気持ちをただの悪口としてしか見てないとは、浅い観方しかできてないんだなと思ってしまった。もう厳かな式典であってもその怒りは俺ら本土の人間には計り知れないものになっている証拠だというのに…。

 

 

そして、翌日24日。仕事が休みだったので、長野県阿智村にある「満蒙開拓平和記念館」へ行ってきました。

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満蒙開拓平和記念館の入口

満蒙開拓団というのは、満州事変以後にできた「満州国*2への移民をした人たちのことです。なぜ長野に満蒙開拓団の施設があるのか?

 

それは長野県が一番満蒙開拓団を出していた県だったからです。

開拓団の総数22万人のうち、3.1万人が長野県の人だったそうです。

 

これは知りませんでした。ちなみに自分の出身地である、愛知県はほかの地域より少なく、700名にも満たない人数でした。

 

満蒙開拓団は昭和恐慌で疲弊した日本から体よく出ていかせるためと、「満州国」をソ連の侵攻から防ぐの人員確保のためだったとされています。

現地「満州国」ではその目的のために住んでいた人たちから土地を奪って移民した日本人に与えたりしていました*3

しかし、1945年8月9日にソ連が侵攻してきた時には、日本軍は「満州国」のほとんどの土地と移民を見捨て、南部に撤退します。それにより移民たちは過酷な環境に放り出された上に、戦争が終わった後も日本政府の都合により帰国することもできなくなりました。

 

満蒙開拓団についてはもっと調べたうえでまた載せたいと思いますが、なぜ沖縄の話といっしょに掲載したのか?

 

それは、どちらも国の都合で民衆が苦しめられている、過酷な思いを強いられているという点が共通していると思ったからです。

 

満蒙開拓団は国策を口実にして、移民政策を進め、「満州国」に元から住んでいた人を酷使、戦争が始まれば軍が移民を守ることなく撤退して置き去り、戦後には政府の都合で帰国を許さない…。

沖縄は本土決戦のために国の捨て石にされ、戦後は米軍と日本政府の都合で米軍基地を強制的に設置され、挙句今も民意を無視し、デマで傷つけ、辺野古埋め立てを強行しています*4

 

 

 

その似た傾向を持つ満蒙開拓団と沖縄の現状を、23日の沖縄慰霊の日周辺で知ることになったのは偶然…にしては出来過ぎかと思い、いろいろ書くネタを飛ばして今回はこの話にしました。

*1:調べてみたらこの人は、「慰霊の日を政治利用するな」の記事をツイートしてた。そんな返答が俺に向けてきたことにも驚いたのですが。

*2:現在では満州の表現は差別のようですが、記念館の方曰く日本のした過ちをきちんと見るためにわざと表記しているとのこと。なので、その意思を尊重し、このブログでもそのように表記します。

*3:満州国」は「五族協和」「王道楽土」と銘を打った国だったが実際は日本人以外の民族は差別の対象、強制労働の対象としており、嘘偽りの国だった

*4:このブログを書いている途中に沖縄自民党の議員が辺野古の工事を請け負う会社から金をもらっていたことが発覚しました。満蒙開拓団とは違い、私欲によるものも入っているので厳密に同類にはできないですが…