3.11間近②~飛田晋秀氏写真展とチェルノブイリ原発事故~
3月5日からピースあいちで開催されるのは、熱田空襲の犠牲を中心にした名古屋空襲展だけではなく、3.11に関した展示もです。
「福島を忘れない!被ばくから8年―チェルノブイリ原発事故から34年―」展
「飛田晋秀写真展―福島のすがた 3.11で止まったまち―」展
の二つです。
事故当時の写真もですが、復興する過程で土地・人・除染がどうなっていったのかが見れる写真を展示しています。
そして、もう一つ。個人的には今年の福島展のメイン(と思っている)が「飛田晋秀写真展―福島のすがた 3.11で止まったまち―」展です。
飛田晋秀さんは、前回のブログ「3.11間近①」の福島の話や現地のガイドをしてくださった方なのですが、写真家の方です。もともとは鍛冶職人や和菓子職人、民俗関係の写真を撮影していたのですが、3.11の被災を受け、友人から「福島の被災の様子を風化させないために写真を撮影してほしい」という話になり、福島各地の被災写真を撮影するようになったそうです。
以来、福島の被災を撮影し、その写真を全国各地で展示をしつつ、被災地の実相を講演で伝える活動をするようになります*1。しかも、この飛田さんの写真展のすごいところは、
派閥や年齢などの垣根を超えて開催できている
というところです。
茨城では与野党の枠を超えた実行委員会によって写真展と講演を開催し、兵庫では幼稚園で開催したにもかかわらず通っていた園児とその親のほぼすべての方に見てもらえたそうです。
また、海外でも開催されており、フランスで開催された際には「日本人が原発事故に無関心すぎる」という痛い指摘も受けたそうです。
一方で、福島での写真展開催は減少傾向だという話も聞きました。福島ではだんだんと地元のマスコミでさえも福島原発事故関係の報道を自粛しているかのようだと。もちろん、まったく報道されていないということはないにしても、以前のように積極的に報道されていないようです。
県外の自分のところでも、なかなか福島のことが見えなくなっているのを考えると、地元からもそれがされなくなると…。日本自体が福島原発事故を「なかった」ことにしつつあるのではないかと思ってしまいます。
福島の当時の被害を振り返る機会が減っている今だからこそ、見てほしい展示です。
ちなみに、3月9日(土)13時半からは、チェルノブイリ救援中部のスタッフによる、ピースあいちでの講演もあります。
名古屋空襲と東日本大震災…。二つの展示をこの機会に見てほしいです。
*1:その被災写真をまとめた写真集も発売されている。今年2019年2月末には、その増補版が出版された。