2021年回想録・愛知の真夏後編 新見南吉との意外なつながり
引っ越しでなくした資料探してたらどんどん時間が過ぎて、気が付けば2年近く…。
半田市といえば、有名な絵本作家・新美南吉氏(以下敬称略)の生まれ育った都市です。
まず訪れたのは新美南吉記念館。
訪れた当時、企画展「コロナ禍に南吉を読む」を行なっていました。
南吉は病で亡くなりますが、産まれた当初から病気にかかりやすかったことで、あらぬ差別を受けた時もあったとの話もあったそうです。
そんな中でも南吉は学業で順調に頭角を表し、現在の東京外国語大学に進学、その後教師として愛知に戻ってきます。
しかし、南吉が教師として仕事をし出した時期は、だんだんと戦争の足跡が聞こえてきた時期でもありました。
そんな中でも南吉は絵本などの作品を制作していましたが、意外なことに、戦争を奨励する作品も作っていたことが分かっています。
過去に新美南吉記念館にて実施した企画展のパンフによれば、『少国民のための大東亜戦争詩』には南吉が生前に書いた詩が掲載されていて、その書籍の性格上、戦争を奨励、賛美する傾向の作品が多かったとされています。そんな書籍に掲載されるくらいなのですから、南吉の意外な一面を垣間見れるものになっています。
また、新美南吉の生まれ育った家が近くにあり、いつでも見れるようになっていました。
亡くなられたのは戦前とは言え、愛知で生まれた偉大な作家を知る旅だったのが、社会の影響を多かれ少なかれ受けていったという、人間のいろんな面を見れる時間になりました。
なにせ、手袋を買いにやごんぎつねのようなハートフルな作品を作る人であっても、戦争の高揚が影響を受けるのだと知れたのだから…