大阪市長の辞職で考えたこと
今日、大阪市長である橋下さんが辞職会見を行いましたね。ちょうど今日は会見の様子をテレビで生中継していたので、ずっと見ていたわけですが・・・
この会見で橋下さんが言っていたことをざっくばらんに言うと、大阪都構想の計画を円滑に進めるために大阪市民の民意を集めたいとのことだそうです。まあ、大阪都構想は橋下さんがずっと政策の柱にしていたことではあるので、それを貫きたい想いは分かるのですが。
しかし、その会見の中で非常に解せないことを発言していたので、それについて今日はブログに書きます。
橋下さんは今回の大阪都構想の計画を進めるための説明書づくりをさせてほしいという件の中で、政策の一環である大阪に新しい美術館を建てることの進め方に照らし合わせて大阪都構想の発言していました。
しかし、実は橋下さんは美術館だけでなく、近現代史を詳しく学ぶための施設、近現代史教育館(仮)を建設する計画も進めています*1。
この施設は「両論併記」を目標に、南京虐殺や東京裁判などの歴史認識で問題になっている歴史的事件の展示や沖縄戦のガマの様子をジオラマ化して歴史を体験して学ぶ展示などをして、来館した人が日本の歴史について考えてもらえるようにしようとして進めていました。
それを進めていたにも関わらず、あの辞職会見では大阪都構想の話と一緒に美術館の建設計画の話をちょっと出しただけで、この近現代史教育館(仮)の話を出してきていません。当然橋下さんの市長辞職の話がメインではあるので、当然だと思われますが。
実際はこうでしょう。これは大阪市役所の方に話を聞いたうえでの自分の考えなのですが。
実はこの近現代史教育館(仮)の計画は大阪都構想や大阪の美術館の計画よりも大幅に進んでいないのです。
総監修の先生やこの施設への特別参与の先生は決まっていますが、この施設の当初の方針である「両論併記」は後退気味、施設の柱になるコンセプトも決められておらず、施設をどこにするかも決まっていないそうです。そもそも、施設をいちから作り上げるのが大阪市歴史博物館以来の話なので、そのノウハウもほとんど残っていないようで、そりゃ進まないわけです。職員さんが日々、頑張って進めようと奮闘しているのに・・・。
さらにいえば、この近現代史教育館(仮)の問題は大阪市内や府内では驚くほど関心が低いのです。新聞でもあまり取り上げられていませんし、橋下市長の教育政策や原発政策に反対をしていた人たちに話をしても見当違いの答えが返ってくるなどといったのが現状なのです。
こんな中で橋下さんは市長辞職の会見をしていたのです。正直複雑です。本当にこの時期にするべきなのでしょうか??この時期は予算編成や政策の確定とかをしないといけないのに・・・。大阪都構想以外にも進んでいないことがますます停滞してしまいます。大丈夫かなあ・・・。
ということを考えてみました。この時点では書ききれていないこともあるのですが、今回の大阪市長辞職の会見があったので突貫で書きました。では。